B&T AIR APC9K PRO ガスブローバック 製品レビュー

B&T AIR APC9K PRO ガスブローバック 製品レビュー
B&T AIR APC9K PRO ガスブローバック 製品レビュー
 

遂に発売!クオリティが半端ない B&T AIR APC9K PRO ガスブロサブマシンガン

実銃メーカーであるB&T AG(Brügger & Thomet)がエアソフト部門として立ち上げ、台湾のエアガンメーカーARCHWICKが製品の設計・製造を手掛けるB&T AIR。遂に、待望のガスブロサブマシンガン「 APC9K PRO 」がリリースされました!

実銃におけるAPCはB&T AGのフラッグシップモデルで、昨今、ミリタリーやLE(Law Enforcement:法執行機関)で採用基準の1つとなることが増えてきたモジュラーライフルです。APCはアッパーレシーバー、ロアレシーバー、バレル、ボルトキャリアなどライフルを構成する主要パーツを組み替えることで様々な弾薬に対応し、作戦内容や任務地の環境に合わせた構成に変更が可能。またライフルの仕様を変えても、グリップや操作系統の位置関係と操作方法が同じであるため、オペレーターの射撃訓練の時間と弾薬費を節約できるという利点もあります。

各国の軍や警察での採用も増えているAPCですが、導入する組織によってライフルやサブマシンガンなどそのスタイルは様々。今回、B&T AIRから発売となった APC9K PRO は9x19mm弾用サブマシンガンのモデルアップであり、K(クルツ)の型名を冠したショートモデルとなります。

超コンパクトなスタイルも注目ですが、製品を実際に手に取り驚いたのはそのクオリティの高さです。

具体的に何がどう凄いのか、1つずつご紹介していきましょう。

APC9K PRO

APC9K PRO の規格外の外装クオリティ

B&T AIRの製品は正式ライセンスとなりますが、そのブランド名からもB&T AGのARCHWICKへの信頼の高さや、ARCHWICKの本気度が伺えます。実際にB&T AG本社でプロトタイプを持ち込んで打合せを行っただけあり、実銃メーカー側も納得するクオリティでエアソフト製品化できることを確証したのでしょう。

当店に製品が入荷すると、パッケージからして興奮を抑えられぬ筆者でしたが、箱を開けて思わず溜め息をついてしまいました。アルミ製アッパーのアルマイト仕上げや、金属と見紛うほどキッチリ成形されたポリマー製ロアなど、これまでの海外製エアガンとは明らかにレベルが違うのです。

アッパーレシーバー

T6061T6アルミ合金をCNC成形したアッパーレシーバーには、ミルスペックのタイプ3ハードアルマイトが施工されています。マットな仕上がりで反射が抑えられており、アルマイト施工前のブラスト処理もかなり丁寧です。サラサラすべすべ。同じアルミ製のストック基部やチャージングハンドルに比べ、明らかに質感が高いです。

アッパーのクオリティが高すぎて、決して質感が悪い訳ではない他のアルミパーツが一瞬プラパーツかと勘違いしてしまうほど。銃の「顔」とも言えるパーツにこれでもかと手間暇かけてます。

APC9K ガスブロ アッパー

そして、一番の注目ポイントはアッパーレシーバーとボルトキャリアのクリアランスでしょうか。アッパーと同じくアルミ製となるボルトキャリアにも(タイプ3ではないと思われますが)アルマイト処理と刻印が施されていますが、通常、検品中の試射の時点で早々に擦れ傷が入ってもおかしくない部分です。ですが全くと言っていいほど傷が付きません。しかもグリスで保護してる感じもなくドライです。

エジェクションポートを良く見ると、アッパーとボルトキャリアの間には0.5mm程度のクリアランスがあります。チャージングハンドルを引いてみるとボルトキャリアは真っ直ぐに後ろに下がり、この僅かなクリアランスを維持したままです。試射をしても傷が入らないということは、ガス稼働時も同じように動いている証拠です。内部の設計もかなりしっかりしていることがわかります。

クリアランスはスムーズなブローバックのために設けられた遊びであり、そのため指で押せば多少のガタもあります。しかし、ゴミが入ったり弾詰まりでもして軌道がブレない限り、ボルトキャリアがアッパーに当たることはなさそうです。もちろん、射撃を繰り返していくうちにクリアランスがキープできなくなることもあり得ますが、少なくとも検品の段階ではその心配は感じませんでした。

APC9K PRO ボルトキャリアクリアランス

ロアレシーバー

実銃同様ポリマー製となるロアレシーバー。樹脂とはいえたわむことなく非常にガッチリしています。アッパーとのガタつきも一切なく、素材の差を感じさせず銃全体に塊感があります。新製品ですので金型が新しいということもありますが、丸みを付けた部分もエッジが立っている部分も表面のシボ加工も、とても美しい仕上がりです。

グリップはAR15と同規格になっておりお好みの実銃用グリップに交換が可能ですが、デフォルトのグリップは薄くビーバーテールも効果的で手が小さい人でも良く馴染みます。底部はキャップ構造となっているためストレージとしても機能します。

APC9K PRO ロアレシーバー

APC9K PRO グリップ

ストック

短縮させれば持ち運びに便利で、延伸時は3段階の長さ調整が可能なワイヤーストック。基部やストッパーはアルミ製ですが、肝心のアーム部はスチール製となり、筆者が見てきたどのレプリカワイヤーストックよりもガタがありません。CO2マガジンの発売も予定されているAPC9ガスブロシリーズですが、強力なリコイルをもってしてもこのストックはビクともしないでしょう。

バットパッドはしっかりとラバーになっており、滑ることなくしっかりと構えることができます。ものすごくシンプルなデザインですが、実際に射撃フォームを取ってもらえればサイズ感などよく考えられていることがお判りになると思います。

APC9K PRO ストック

刻印

刻印はB&T AG本国仕様ではなく、B&T USAに準じた米国仕様の刻印が再現されています。驚いたことに、エアソフト製品であることを示唆する刻印はシリアルナンバーの後ろに1文字付けられた「A」くらいのもの。エアソフト製品としての実際のシリアルナンバーはマグウェルとトリガーガードの間のプレートにわかりづら~く入ってます。他のライセンサー製品の場合、かなり分かりやすい部分に6mmとかTOY GUNとか入りそうなものですが、APC9K PROにはユーザーを萎えさせる刻印は一切見当たりません。これはかなり嬉しい。

APC9K PRO USA刻印

APC9K PRO 刻印

軽量なアルミ製マガジン

付属するリキッドチャージ式マガジンはアルミ製で軽量。実銃では半透明のポリマーマガジンのため流石に再現は難しいですが、ディテールや刻印は活かされています。素材の差を埋めるためというわけではありませんが、オプションのラバーブーツを標準で装着しているため、雰囲気は抜群です。

APC9K PRO マガジン

APC9K PRO の本当の実力は内部パーツにある

外箱を開けただけで「宝石箱や!」よろしく狂喜した筆者ですが、試射をしてもニヤニヤが止まりません。海外仕様マガジンのためガスはすこぶる入れづらいのですが、明らかに充填量が足りてない状態でも良く動くこと。ボルトキャリアが軽量なこともあるのでしょうが、やはり特筆すべきは設計の良さかと思います。どんな構造なのかと思いテイクダウンしたら、そこにも驚きの光景が。

ちなみに海外仕様マガジンにガスを注入する際は、一旦軽くガスを入れたら放出バルブを押してマガジンを冷やすと良いでしょう。ガス缶側の圧力が高い状態をキープしながら、長めにガス注入してください。

S45Cスチール製の内部パーツ

ロアレシーバー内に組み込まれたハンマー、シア、トリガーなどは全て機械構造パーツに使われる炭素鋼材S45Cスチール。こんな硬いハンマーでアルミボルトキャリアは大丈夫なのかとご心配でしょうが、ご安心ください。直接触れる部分はローラーが仕込まれているため抵抗を逃がしており、ボルトキャリアへの攻撃性を抑えています。

また、内部を見て何に驚いたかというとグリスやオイル類の塗布量の少なさです。通常だとこの辺りは工場組立時点でベッチョベチョになっていることもよくある話ですが、こんだけドライなのも珍しい。設計が良いから潤滑油なんて必要ない!と言わんばかりの自信の表れでしょうか。

とはいえ、グリス塗布したいユーザーもいらっしゃるでしょうから、スプリングやボルトキャリアの力が掛かるスチールパーツはメンテナンスやグリスアップがしやすいよう中心部に分散されており、細かな動きをするノッカーやノッカーロック、ボルトキャッチはブロックで1つにまとめるなど、分解や組みやすさも考えられた内部設計に。本当に良く考えられています。

APC9K PRO スチール内部パーツ

寿命が長そうなボルトキャリア

クリアランス云々の話をしたボルトキャリアですが、テイクダウンして気づきました。アッパー内部ではボルトキャリアとアッパーレシーバをガッツリ面で接触させ、直接目に触れない部分でブローバック動作の精度を高めているようです。これも良く考えられているなと思うところで、面で接触することで部分的な削れを防止し、長期に渡る運用でもガタが出にくくなるでしょう。しかしここもグリスが最小限だな…ちょいと追加で塗ってあげてもよいかもしれませんね。

APC9K PRO アッパー内部

ノズルやボルトキャッチ部にダンパーが設置されているのも特筆すべきポイントです。ブローバックしてボルトキャリアが前進した際に、先にダンパーをチャンバーに当てることでノズルやホップパッキンへの衝撃を弱めています。ボルトキャッチが掛かる部分は双方スチール製で耐久性を高めているものの、削れが起きにくいようこちらもダンパーになっており、また削れてきても最小のパーツ交換で復活させることができそう。サブマシンガンだとシンプルな設計の製品が多いですが、でここまで細かい心配りはあまり見たことがありませんね。

APC9K PRO ノズルダンパー

APC9K PRO ボルトキャッチダンパー

ホップ調整は超楽チン!

この手のガスブロだと、ホップ調整はテイクダウンが必要だったりホールドオープンして専用器具を突っ込むタイプが多いものですが、APC9Kは手間が掛かりません。ピボットピンの前方にあるイモネジを1.5mmの六角レンチで回すだけ。サブマシンガンだとホールドオープンしてもエジェクションポートが小さいため、外部から簡単にチャンバーにアクセスできるのは非常にメリットが大きいと思います。しかも目立たないよう位置も工夫されているのがありがたい。

APC9K PRO ホップ調整

モジュール性能がなければ APC9K PRO ではない!

冒頭でも書きましたがAPCシリーズはモジュラーライフルです。ガスブロでもその機能欲しいですよね?ご安心ください。ちゃんとありますよ!

現在、B&T AIRで発売が予定されているのはAPC9K PRO以外にあと3機種。どれも9×19mm仕様でロアを共通としているのでアッパーの交換は可能でしょうし、ストックも簡単に入れ替えが可能になっています。それだけではなく、製品にはバレルナットを外すツールが同梱されているので、将来的にはアフターパーツでレングス違いのアウターバレルに交換することもできるようになると予想されます。個人的にはグロックマガジン用のロアなんかも出たら嬉しい…。

APC9K PRO バレルナットツール

ハイダーはサブマシンガン定番の3ラグハイダーのため、対応するサプレッサー(OMEGA 9Kなど)が装着可能。また、ハイダーは12mm逆ネジで固定されていますが、14mm逆ネジ対応のアタッチメントも付属しているため、幅広いサードパーティーパーツにも対応します。(アタッチメントとアウターバレルも逆ネジで固定されています。)

APC9K PRO 3ラグハイダー

APC9K PRO 付属品

 
B&T AIR APC9K PRO ガスブローバックについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。製品パッケージにはハンドガード両サイドのM-LOK用に3スロットのアダプターレールが同梱されるほか、スリングスイベルホール付きのハンドストップ、IMIタイプのフリップアップサイトなど付属品の充実ぶりもなかなか。

写真や言葉だけでは伝えきれないクオリティの高さは、直接お手に取って感じていただけたらと思います。後悔はさせません。

B&T AIR APC9K PRO は話題性の高さもあって、初回ロットの入荷数は希望に届かずかなり少なくなっております。発売日の延期も重なりましたし、二次ロットや他モデルの入荷日も確定情報がない状況となっておりますので、確実に入手したい方はお早目のご注文をお願い致します。

商品ページはコチラ👇
B&T AIR APC9K PRO ガスブローバック サブマシンガン BK
ORGA AIRSOFT販売価格:62,090円(税込)

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ORGA AIRSOFT販売価格:68,770円(税込)

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